脂肪代謝促進研究44 肝臓の機能を高める代謝促進物質

エネルギー代謝は細胞の中のミトコンドリアで行われています。ミトコンドリアが多いほどエネルギー産生が多いわけですが、その数については一つの細胞に200〜3000個という説もあれば、300〜2000個という説もあります。どちらにしても、それとも違った数であったとしても臓器によって大きな差があります。

ミトコンドリアの数が多いのは筋肉、脳、肝臓、腎臓で、多くのエネルギーが必要なところでは数が多くなっています。それはミトコンドリアで作り出されたエネルギーが、その細胞の中だけで使われるものであって、多くのエネルギーが必要な臓器の細胞では、多くのエネルギーを作り出すためにミトコンドリアが多く存在しています。

全身の細胞を平均すると、ミトコンドリアの重量は10%ほどとなっています。体重の10分の1がミトコンドリアの重さというわけで、いかに生命維持のために重要な器官であるかがわかります。

筋肉、脳、肝臓、腎臓では細胞質(核を除いた部分)の約40%がミトコンドリアとなっています。それだけ多くのエネルギーを作り出すことができるといっても、エネルギー源のブドウ糖と脂肪酸を多くミトコンドリアに届けなければ、エネルギー産生が少なくなります。

脳だけは特殊で、エネルギー源はブドウ糖だけです。これは血液脳関門という脳細胞の手前にある血管の端にあるゲートがブドウ糖以外のエネルギー源を通さないようにしているからです。

脂肪酸をエネルギー化させるためには、脂肪酸がミトコンドリアの膜を通過するときに必要となるL‐カルニチンが欠かせません。ミトコンドリアに脂肪酸を多く運んで、多くのエネルギーを作り出すためにはL‐カルニチンが不足していることから代謝が低下している人には重要な成分となります。

肝臓は多くの仕事をしていて、ダイエット関係でもブドウ糖の蓄積と放出、グリコーゲンの合成、脂肪酸と中性脂肪の合成などの働きをしています。その働きを高めることは健康的なダイエットにも必要であり、細胞の代謝を低下させる有害物質を分解・排出するためにもL‐カルニチンは重要になってくるのです。

〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕