運動は健康によいというイメージがあり、スポーツ選手は健康体と思われがちです。しかし、スポーツ選手も体育教師も実は平均寿命が短いことがわかっています。運動は体内で活性酸素が多く発生して細胞を傷つけていくことから、活性酸素の消去が「運動=健康」のカギと言われました。そして、抗酸化成分の摂取がスポーツ選手には必須ということが広まっていきました。
抗酸化成分としてスポーツ選手によく使われているものにコエンザイムQ10があります。コエンザイムQ10は細胞のミトコンドリアの中でエネルギー産生をする代謝に必要なヒトケミカルの一つで、以前は医薬品であったものが食品としても使用することが許可され、コエンザイムQ10はサプリメントの人気素材となりました。しかし、コエンザイムQ10は代謝では抗疲労が注目されて機能性表示食品にもなり、抗酸化成分としても使われています。
免疫とコエンザイムQ10の関係がわかるようになって、コエンザイムQ10の不足は免疫を低下させるだけでなく、運動することによって免疫が低下する可能性が高いこともわかってきました。コエンザイムQ10は20歳代をピークに徐々に体内で合成される量が低下して、蓄積量も減っていきます。その状態で運動をすると筋肉を動かすことによってコエンザイムQ10は減少していきます。
免疫細胞の白血球もコエンザイムQ10を用いてエネルギー産生を行っているので、コエンザイムQ10が減少したら白血球で作り出されるエネルギーが減ることになり、白血球が担っている免疫も低下していくことになります。だから、運動をするときにはコエンザイムQ10を補うべきであり、筋肉を激しく使うスポーツ選手は多くの量を必要とするわけです。