健康・火の用心28 未病の対応はエネルギー代謝で変わる

病気を予防して健康を維持するためには、健康なときから健康づくりに取り組んでほしいところですが、これまで続けてきた生活習慣を変えることは難しくて、健康面に不安を感じないと踏み切ってもらえないところがあります。

その“健康面での不安”は、病気になったときが最も高まっているはずですが、病気の段階まで進んでしまうと、健康な状態に戻ろうと思っても手間取ることになります。場合によっては、元の健康な状態に戻れないこともあります。

未病については、日本未病学会が定義しています。同学会の会員として初代、二代目の理事長と深く付き合ってきて、未病は実感をもって受け入れ、それを多くの方に伝えてきました。

未病は一般には病気と健康の間という認識ですが、それだけではなくて自分の行動で健康に戻れるのが未病で、医学に頼っても元の状態に戻れないのが病気となります。
例えば、糖尿病と診断されたら、医薬品を使うしかないということではなくて、食事療法と運動療法に取り組んで、それでも効果が得にくいときに医薬品を併せて使うというのが治療の基本となっています。それなのに、初めから医薬品を使う医師が多いのが実態です。

病気の最大の原因は加齢であることを教えてくれたのは日本未病学会の歴代の理事長ですが、年齢を重ねていくと誰もが発症のリスクが高まり、未病状態であっても改善にも手間取るようになります。それは事実であっても、誰もが同じように加齢によって発症するわけではなくて、また未病状態から健康に戻るための期間や状態が変わってくるわけでもありません。

その違いとして考えられるのは、身体のエネルギー量の違いです。健康の維持のためには、全身の細胞の中で作り出されるエネルギーが必要です。そのエネルギー産生が不足していると細胞レベルでの改善のためのパワーが不足することになります。
エネルギー代謝が充分に行われていれば、全身の臓器も活性化された状態になっていて、食事や運動の効果も現れやすくて、その結果が改善として現れやすいということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕