体脂肪が蓄積されると同じように太っていくというのが一般的な感覚です。初めに皮下脂肪が蓄積されて、ある程度の量が溜まっていくと次に内臓脂肪が多く蓄積されるようになります。そして、蓄積された体脂肪が減るときには、先に内臓脂肪が減り、次に皮下脂肪が減るようになります。
つまり、内臓脂肪は増えやすくて、減りやすいという特徴があるわけです。太ってきたかどうかは、内臓脂肪に着目して、ウエストサイズの増減で確認することができます。
これは原則であって、肥満遺伝子のタイプによって蓄積の度合いが違ってきます。肥満遺伝子のβ3アドレナリン受容体遺伝子タイプは一般にはリンゴ型と呼ばれる内臓脂肪が多く蓄積されやすいもので、脱共役タンパク質遺伝子タイプは皮下脂肪が蓄積されやすいことから洋ナシ型と呼ばれています。
この他に筋肉が少ないために、太り始めるとやせにくい特徴があるβ2アドレナリン受容体遺伝子タイプもあって、これはバナナ型と一般に呼ばれています。
このどれに該当するのかによって、太り方、やせ方に差が出てくるのですが、これは若いときの特徴であって、中年になると変化が起こります。その変化というのは背中に皮下脂肪が蓄積されていくことです。この背中の皮下脂肪はダイエットをしても、なかなか落とせないので、中年女性の特徴的な体験とされています。
背中に皮下脂肪がつくのは、腹部に多く脂肪が蓄積されると子宮などを圧迫して妊娠に影響を与えるからで、生理がある女性の特徴です。生理がなくなって更年期に入ると、今度は内臓脂肪の蓄積が急に増えて、男性と同じような太り方をするようになります。
これを防ぐためには、まだ背中に皮下脂肪がついていない段階で、内臓脂肪が多くなってきた、つまりウエストサイズが増えてきたときに、積極的な体脂肪を減らすダイエットを始めることがすすめられます。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)