犯罪はもちろん悪いことで、犯罪まではいかなくても他人に迷惑をかける行為はするべきではないし、少なくとも悪いことだとわかっていてやってはいけないことです。自分では悪いことではない、むしろ正しいことだと確認して“犯罪的行為”を行う人もいます。
そんな人のことを“確信犯”と表現することがあります。こういった話をすると、「確信犯は悪いことだとわかっていながらやる質(たち)の悪い人のことではないか」と間違いを指摘する発言をされることがあります。
健康に関するセミナーのときに、そのような発言をされて攻めるような口調になり、確信犯の意味を言わないと気が済まないような気分にさせられたこともあります。
確信犯の意味を辞書で調べると、「信念に基づいて正しいと信じてなされる行為・犯罪、その行為を行う人」と「悪いことだとわかっていながらなされる行為、その行為を行う人」の両方が記載されています。
どちらでもよいのかというと、後者のほうは俗な使い方とされている辞書もあります。本来なら前者が正しいのに、後者の意味で使う人が増えてきたことから、そちらも掲載しているということです。
文化庁の「国語に関する世論調査」の結果では、後者の「悪いことだとわかっていながらなされる行為、その行為を行う人」が正しいと思って使っている人が圧倒的に多くなっています。結論としては、前者の「信念に基づいて正しいと信じてなされる行為・犯罪、その行為を行う人」が正しくて、辞書には政治的信念や宗教的信念が例示されています。
健康に関することで“確信犯”と指摘されるのは、悪いことだとわかっていながらも身体によくない生活を過ごしてしまう行為のことです。その健康を害するような行為・行動が、それこそ信念に基づいて行われているなら口出しすべきことではないかもしれませんが、信念もなしに惰性で実施しているとなると、これは“確信犯”の意味を伝えて、修正してもらいたくなるのも当然のことといえます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕