人間の身体は、エネルギーを発生させることで全身の臓器や器官、神経などを正常に働かせることができます。全身の細胞の材料となるたんぱく質、カルシウムなどのミネラルなども大切ですが、これらの成分を体内に取り込むことにも、成分を変化させて身体に必要なものに作り変えるためにも、ホルモンや神経伝達物質などが充分に機能するためにも、すべてエネルギーが必要となります。
身体のエネルギーは、熱エネルギー(体温維持)、運動エネルギー(身体活動)、電気エネルギー(神経伝達)、化学エネルギー(細胞内の化学変化)などがあります。これらのエネルギーは、エネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)を摂取していれば発生するわけではありません。エネルギーを作り出す細胞の中のミトコンドリアを働かせるためにはすべての種類のビタミンが必要です。
ミトコンドリアの中にエネルギー源を取り込むために必要となる成分があります。これは代謝促進成分と呼ばれていますが、中でも重要になるのが脂肪酸をミトコンドリアに取り込むときに必要となるL‐カルニチンです。脂肪酸はL‐カルニチンと結びつかないと、ミトコンドリアの膜を通過することができません。
L‐カルニチンは代謝に必要な成分であることから、肝臓や腎臓で合成されています。その材料となっているのは必須アミノ酸のリシンとメチオニンで、これらが多く含まれている“良質なたんぱく質”を摂取する必要があります。というのは、必須アミノ酸は体内では合成されないことから、食品から摂取しなければならないからです。
良質なたんぱく質は、肉類、魚類、卵、牛乳・乳製品、大豆・大豆製品に豊富に含まれています。これらの重要な食品が食べられない、このうちの一部しか食べられないという極端な偏食がある子どもが発達障害には多くみられるのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕