発達栄養講習25 小児は代謝促進成分の合成が低い

代謝促進成分のL‐カルニチンは脂肪酸を細胞のミトコンドリアに取り込んでエネルギー化させるために必要で、そのために体内で合成されています。L‐カルニチンについて一般に言われているのは、合成のピークが20歳代前半で、それ以降は合成量が減り続けてエネルギー代謝が低下していくということです。

このことが年齢を重ねていくと、これまでと同じ食事、同じ運動をしていても、徐々に体脂肪が増えて太っていくということの理由(原因)とされています。

合成のピークが20歳代前半ということは、そこまでの年齢では合成量が不足していることですが、エネルギー産生に充分な量が合成されるのは10歳ころからだとされています。それまではL‐カルニチンが多く含まれている食品を多く摂る必要があるのですが、L‐カルニチンは肉類に多く、中でも羊肉のマトン、ラム、牛肉に多く、一般に食べられる量が多い豚肉、鶏肉では少なめになっています。

発達障害がある子どもでは偏食のために、L‐カルニチンが多く含まれる肉類が多く食べられない、中にはほとんど食べられないという例もあります。

L‐カルニチンは、以前は医薬品の成分でしたが、今では食品の成分としても許可されています。その時期は2002年なので、20年もの研究による有効性と安全性の確認がされています。

多く摂取した場合も、脂肪酸のミトコンドリアへの取り込みが盛んになること、エネルギー産生が高まることだけです。もともと体内で合成される成分であり、サプリメントとしても体内で合成されるのと同様の過程で製造されているので、安心して摂取できる成分とされています。
小児の場合は、通常の推奨量の半分ほどの1日250mgの摂取であることも確認されています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕