若い女性は太ってきても、中年女性のように背中に皮下脂肪が多く蓄積されることは少なくなっています。それは特に背中の皮下脂肪がつきやすい背中の上側の方に、褐色脂肪細胞が多く存在しているからです。
褐色脂肪細胞は、脂肪細胞といっても一般的な白色脂肪のように中性脂肪を蓄積するわけではなくて、むしろ中性脂肪を代謝させて、減らす働きがあるからです。食事をしたあとには背中の上側の方が熱くなってきます。これは褐色脂肪細胞が中性脂肪を分解して、脂肪酸の代謝を進めているからで、運動をしていなくても中性脂肪が減っていくからです。
褐色脂肪細胞は肩甲骨の周りと左右の肩甲骨の間、首の周囲、わきの下などに集中して存在しています。褐色脂肪細胞には、筋肉などの全身の活性化している細胞の中にあるエネルギー産生の小器官のミトコンドリアが多く存在しています。このミトコンドリアが褐色の色の理由です。
褐色脂肪細胞は寒いところに住む人では多くなっていますが、褐色脂肪細胞を増やして、また活性化させる方法があります。それは温度差です。ただ冷やせば褐色脂肪細胞が増えたり、活性化するわけではなくて、冷やしたり、温めたりすることによって温度差を生じさせることが有効になります。
その方法として、寒いところで薄着をして、室内で厚着をすることがメディアで取り上げられたこともあります。寒いところで乾布摩擦をして背中を温める方法も紹介されたこともありますが、そんなことをする必要はありません。使うのはシャワーです。
シャワーの温水で褐色脂肪細胞が集中するところを温めてから、次に冷水(通常の水)を当てます。これを温度の変化を感じながら繰り返すことによって、褐色脂肪細胞を活性化させていくことができるようになります。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)