日本人が一生涯に使う医療費は「生涯医療費」と呼ばれます。その金額は超高齢社会の影響を受けて大きく跳ね上がり、今では2700万円となっています(厚生労働省発表)。これは男女平均で、男性は2600万円、女性は2800万円です。この差は女性が長生きであることと関係しています。
これは医療機関(病院・薬局など)に支払われている金額で、患者自身は保険の種類によって金額が異なります。3割負担の場合には平均して810万円を支払っていることになります。それ以外は国や自治体、健保組合が支払っています。
生涯医療費のピークは70歳で、生涯医療費の半分は70歳以降に使われています。平均寿命が男性は81歳、女性は87歳を超えているという状況では、男性は11年、女性は17年の間に生涯の医療費の半分を使っていることになります。
自分の場合には、高齢者の仲間入りをするまでに爪、痔、目、耳とパーツで医療費を使い、ウイルス感染(コロナのずっと以前のこと)くらいなので、医療保険の支払いのほうが大きく上回っています。
70歳までに使われる医療費を下げるように努力することで、生涯医療費を下げることができるわけです。それは個人の負担だけでなくて、国と自治体の負担を減らすことにつながります。
そのためには地域での健康づくりが重要になるわけですが、身体だけではなくて認知機能の低下も医療費を大きく使うことを考えると、両方に効果があるウォーキングをすすめています。これも単純に歩くだけでなく、生活習慣病に合わせた効果的な歩き方を指導しています。
身体の基盤となるのは栄養摂取です。これについてはメディカルダイエット講習の内容を存分に活かして、青年から高齢者までの基本となるエネルギー代謝科学に基づいた食事法、食事と運動を組み合わせた効果的な方法を伝えています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)