腸内細菌の善玉菌も悪玉菌も細菌の一種であるため、エサになる栄養源を食べて、体内で代謝させてエネルギーを作り出しています。そのエネルギーによって活動して、増殖もしていると同時に、代謝物を外部に排出しています。この排出される代謝物が善玉菌と悪玉菌では違っていて、善玉菌は酸性物質を作り出し、悪玉菌はアルカリ性物質を作り出しています。つまり、善玉菌が増えて酸性物質が多く排出されれば腸内は酸性傾向になり、悪玉菌が増えてアルカリ性物質が多く排出されれば腸内は酸性傾向が弱まり、アルカリ性傾向に近づいていくわけです。
ごく簡単に分類すると、人間にとってよい働きをする物質を作り出すのが善玉菌、逆によくない働きをする物質を作り出すのは悪玉菌という分類となっています。
善玉菌は酸性傾向で活発に働き、増殖するといっても大事のエサ(栄養源)がなければ、酸性傾向の中であっても増えることはできません。善玉菌が好んで取り込んでいるのは糖質と乳製品、食物繊維です。乳製品の中で栄養源になっているのは乳糖で、食物繊維は糖質であり、酵素分解を受けにくい構造をしています。食物繊維は小腸では消化も吸収もされないものですが、腸内細菌は分解して単糖やオリゴ糖にして栄養源とすることができます。
これに対して、悪玉菌が好んで取り込んでいるのは動物性たんぱく質と脂肪です。伝統的な和食は糖質と食物繊維が多いので善玉菌を増やしやすい食事であり、洋食は糖質と食物繊維が少なく、動物性たんぱく質と脂肪が多く使われているので悪玉菌を増やしやすい食事だといえます。