脂肪代謝促進研究60 L‐カルニチンの抗酸化作用

活性酸素は、全身の細胞を酸化させるもので、これを防ぐには酸素が活性酸素に変化するのを抑えることが重要になります。酸素と活性酸素の違いは、たった一つの電子の違いで、通常の酸素はプラスとマイナスの電子が4つずつ(4対)存在しているのに対して、活性酸素はマイナスの電子が一つ欠けた状態になっています。

酸素は4対の電子のバランスが取れた状態が正常であるので、他のところから電子を奪って4対にしようとします。これによって活性酸素は通常の酸素になります。問題となるのは電子を奪われたほうで、病原菌からマイナス電子が一つ奪われると、病原菌は破壊されます。これによって害を与える病原菌から身体を守っているわけです。

こういった役割があるために、吸い込んだ酸素のうち2〜3%は活性酸素となっています。活性酸素が発生するのは細胞内でエネルギーが発生するときに不完全燃焼を起こしたときで、細胞のミトコンドリアでのエネルギー産生が正常に行われていれば活性酸素が多量に発生することはありません。

完全燃焼のために必要なものは、代謝促進成分で、脂肪酸をエネルギー化するL‐カルニチンは重要な抗酸化成分(活性酸素消去成分)となります。L‐カルニチンはミトコンドリアに効果的に脂肪酸を取り込んでエネルギー化を促進する重要な成分であるわけですが、L‐カルニチンが不足すると脂肪酸の代謝がスムーズにいかなくなり、活性酸素が多く発生するようになります。

活性酸素が多く発生しすぎたときには、活性酸素を発生させる抗酸化成分が必要になりますが、全身の細胞での活性酸素消去を進めるためにはエネルギーが必要です。そのエネルギーを多く作り出すのもL‐カルニチンの役割の一つです。

〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕