代謝と糖尿病1 糖尿病の判断基準

糖尿病は日本を代表する国民病と呼ばれるほどで、患者数も予備群も増え続けています。厚生労働省の「国民健康・栄養調査」によると、成人人口の約1億人に対して、糖尿病患者(糖尿病が強く疑われる者)は約1000万人、糖尿病予備群(糖尿病の可能性を否定できない者)は約1000万人で、日本人の5人に1人が糖尿病か予備群とされています。

糖尿病予備群というと、血糖値が高めであっても、まだ糖尿病が発症するまでには余裕がある状態と思われがちで、予備群であることを指摘されても生活を積極的に改善しようとは思わない人が大半です。そのために急速に発症に向かっている人が多いのです。

「国民健康・栄養調査」では、糖尿病が強く疑われる者というのは、血糖値の数値ではなくてヘモグロビンA1c値が6.1%以上で、糖尿病の治療を受けている人を指しています。一方の糖尿病の可能性を否定できない者はヘモグロビンA1c値が5.6%以上、6.1%未満を指しています。

糖尿病は、血糖値とヘモグロビンA1c値の両方の数値で診断されますが、ヘモグロビンA1c値が①5.6%未満は正常域、②5.6%以上、6.0%未満は正常高値、③6.0%以上、6.5%未満は境界域、④6.5%以上は糖尿病域となっています。

ヘモグロビンA1cは、過去2か月の血糖値の平均がわかる数値で、赤血球のヘモグロビンにブドウ糖が結びついたものです。ヘモグロビンA1c値が高いということは、血糖値が高い状態が長く続いていたことを示しているわけです。

糖尿病の可能性を否定できない者はヘモグロビンA1c値が5.6%以上、6.1%未満の範囲なので、境界域に入っていると考えられます。これらの方は、エネルギー代謝が低くて、いつ糖尿病の範囲に突入するかわからない状態であり、安心して過ごせるような状態ではないということは認識してほしいのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕