ツイン・ウォーク28 膝痛対策の歩き方

膝に健康のためには歩いたほうがよいという考えがある一方で、歩くことによって膝が痛むようになるのであまり歩かないほうがよいという考えもあります。

高齢者の場合には膝の軟骨が長年の使用によってすり減っているために、それ以上のすり減りを起こさないように歩かないことが整形外科的にはすすめられます。人工関節が必要な状態の人に対しては、膝の負担を減らすために歩行が制限されることもあります。

それに対して内科的には、血圧、血糖値、中性脂肪値、LDLコレステロール値ともに安定をさせるために歩いてエネルギー代謝を高めることがすすめられます。

しかし、膝の軟骨がすり減っているために痛みが生じ始めている人は、歩いて膝を動かすことが大切です。というのは、膝の軟骨を再生させるために必要な成分は、膝を曲げ伸ばしして、膝の周りの血管から、その成分を送り届けるようにしなければならないからです。

膝関節は滑膜という袋状の膜の中に包まれ、滑膜の中の関節液に有効成分が溶け込んでから膝関節に届けられます。この作用を進めるためには、膝が動くことによるポンプ作用で、滑膜とつながった血管から成分が引き込まれていきます。

膝の曲げ伸ばしが必要であるといっても、深く曲げるとトゲ状になった骨が神経を強く刺激するようにもなるため、あまり膝を深く曲げないで、普通の歩き方をして軽い曲げ伸ばしを続けるようにします。膝関節を適度に動かすことは、周囲の筋肉を強くして、膝関節への負担を減らす効果もあります。

歩いて治すというと歩きすぎてしまう人もいますが、膝の軟骨に成分を送り続けるために毎日、少しずつでもよいので継続して歩くようにします。

人工関節が必要な状態になった人の場合には、膝の負担と減らして代謝を高める方法として、2本のポールを用いたウォーキングがすすめられます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕