DNA Answer5 モデルにしたのは家元制度

DNA認定講習は、認定講師がDNA認定講習の講師を務めるという2段階方式からスタートしますが、これは狭い地域から始める初期段階の対応策で、認定講師の活動範囲が広がっていたら、認定講師の講習をする専任講師を加えた3段階方式を想定しています。

現在はDNA認定講習を担当する認定講師養成講習は本部講師が務めています。それぞれの受講者の関心度や理解度などのリテラシー(読解力)が異なることなら、マンツーマンの対面講習からスタートしています。リテラシーに配慮して、それぞれの受講者が確実に学んでいくことができるようにするためには、複数の受講者に対して講習をすることは難しいとの考えもあり、当分は(いつまで続くか今は想像がつかないところですが)マンツーマンの講習を続けていきます。

認定講師養成講習はマンツーマンで、受講者が学びやすい環境ということを配慮して、事務所や自宅などまで出向いて講習をしています。そのため、本部講師が移動するためにかかる時間と距離などの制約もあって、発祥の地の岡山県から認定講師を育成しています。

すでに広域での認定講師の受講の希望が寄せられています。認定講師は急激に増やすと、活動エリアのバッティングが起こる可能性があり、ライバルがいない地域で始めたい、初めに取り組むことで優位性を確保したいという考えが出てくるのは当然のことです。

しかし、現在の本部講師は1人だけで、本部の近くの認定講師が本部講師の代わりを務めてくれることを期待しつつも、それも限度があると思っています。そこで、広範囲であっても出向いて講習をする専門職である専任講師の養成も重要になると考えています。認定講師の養成講習を担当するのが専任講師です。

この「DNA←→認定講師←→専任講師」の講習スタイルを学ばせてもらったのは家元制度の宗家です。認定講師は都道府県内が活動範囲で、専任講師は全国で認定講師の教育を担当する役割です。活動範囲が広がっていけば、専任講師も1人だけというわけにはいかなくなり、専任講師を育成して管理もする本部講師が必要になるでしょう。

ここまで進むと、家元制度と同じ形になっていきますが、日本の伝統である家元制度は常に研究を重ねて、時代に合わせた進歩が求められます。発達障害と臨床栄養を組み合わせた発達栄養は、対象とするのが発達障害はある人と保護者で、常に成長し、変化していく人であるだけに、どんな求めにも対応できる、長く(少なくとも100年)続けられる体制があって初めて成り立つことです。

これまで誰も手がけてこなかったことに取り組むためには、体制を確固としたものとする教育体制と教育内容、研究体制と情報発信など、走りながら自動車を組み立てていくような、まさに発達障害児の成長と同じようなアプローチが必要になってくると認識しています。
〔発達栄養指南:小林正人〕