DNAは、その名のとおりアドバイザーであって、発達障害児に対して直接的に食事を作る立場ではありません。DNA認定講習の受講者の中には、発達障害児を育てている保護者、育てた経験がある保護者も含まれることから、直接的に作る資格認定者も誕生するはずですという思いはあります。
資格認定講習を受講して、試験に合格して、資格認定者となったからには、家族のためだけでなく、時期が来たら地域のため、社会のために活動してほしいという気持ちがあるので、あえて「発達障害児に対して直接的に食事を作る立場ではない」というような言い方をしています。
料理をするのは保護者の役目(もちろん事情によって他の方が担っているのは承知していること)ですが、実際に発達障害児のために食事を作る人からは、どんなメニューを作ればよいのか、食べられない食品や料理の代わりに何を食べさせればよいのか、どんな工夫をすればよいのかという家庭の食事の悩みに対する栄養指導・食事指導は、相談を受けた人がすべきだというのは基本的な考えとなります。
発達障害児を診断して、治療する医師は栄養の専門家ではないものの、医学的な知識の中には臨床栄養も含まれると一般には考えられていることから医師から栄養指導を受けようと考えるかもしれません。しかし、医師で大学時代に栄養学を学んでいる人は非常に少なく、指導を期待しても難しいところがあります。
医療機関の管理栄養士は医療対応の栄養士であるので、管理栄養士に指導を受けたいと考えるところでしょうが、発達障害の食事に関わる困難さへの対応がわかっていないことが多く、一般的な好き嫌いや食べにくいものを克服するための対応となりがちです。
発達障害児のために医療面と栄養面で対応できる管理栄養士は存在しているものの、発達障害児が子どもの10%に達しているという時代には、あまりに少なくなっています。
発達障害への食事対応は、メニューによる栄養面だけでなく、発達障害の食事の面での困難さ、家庭事情などによって、指導の内容が異なってきます。だから幅広い知識が必要で、その一端を担うのがDNAの役割と考えています。
実際のメニューや調理法のアドバイスについては、資格認定講習を運営する本部のほうで対応します。その対応の仕組みと内容については次回に説明します。
〔発達栄養指南:小林正人〕