テーマの“忙しい保護者”というのは、発達障害児の保護者のことで、中でも子どもに寄り添っている母親のことを指しています。日本メディカルダイエット支援機構がSPSPの講習を始めるのは、過去に規制する法律や講習に関わってきたことを活かしたい気持ちと、健康食品を使うことを検討しているからに正しい情報が伝わっていない現状を打破したい気持ちがあるからです。
発達栄養の資格認定講習を始めるにあたって、関わりのある4法人を通じて、栄養の実態の情報や講習などをリサーチしてきました。その法人というのは、感覚統合療法などを実施する児童発達支援施設を運営するNPO法人、発達障害の一つの学習障害に対応する学習塾を運営する一般社団法人、発達障害児をはじめとする子どもの支援を行うNPO法人、子ども・親・祖父母の世代の支援を行う一般社団法人で、私は4法人とも役員を務めています。
私が代表の日本メディカルダイエット支援機構は16期目に入るNPO法人ですが、臨床栄養の研究の中で子どもの発達支援を行ってきて、東京が活動の中心地であったときからの人脈の協力を得て、岡山でも健康管理指導の一環として教育と情報発信に取り組んでいます。5法人での経験を活かすことが可能なのは、すべての活動の中心地が岡山市だということも関係しています。
発達栄養は発達障害児の改善の下支えになることは多くの方が認識していながらも、具体的な支援がなされていない状態で、それを担う形で、保護者の食事・栄養相談を受けてきました。
発達障害児は特性から食べられないものが多い極端な偏食があり、それは食品、料理、食事環境、家族関係なども影響していて、家庭での改善には限界があることは、すぐに気づきました。それでも指導を行ってきたのですが、まずは簡単にできることから、食事のパターンを変えないところからということで、必ずといって聞かれることにサプリメントの摂取があります。
極端な偏食で不足する栄養素を摂取する手段としてサプリメントは有効な手段かもしれませんが、どんな成分が必要なのか、どんなサプリメントを摂ればよいのか、どんなタイミングで摂ればよいのかの情報が、まったくない状態の中、手探りで探しています。摂取させている場合でも、とりあえず試しているという状態でした。
発達栄養の補助としてサプリメントに期待を寄せるとしても、なぜ使うのか、どうして効果が期待できるのかがわからないままではいけないと考え、発達栄養の講習ではサプリメントを、あえて取り上げていないのです。
サプリメントはありふれた存在になりすぎて、一般に有効性と安全性が確認されているものであっても、合わない人が摂取すると危険性が高まることさえ認識されていない実態があり、その改善の必要であると考えています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕