「サプリメントプロ検定」では、正しいサプリメントの選び方、使い方についての情報を提供していますが、自分に合った使い方をするには、さまざまなサプリメント成分の知識も必要になります。カルシウムは身近なサプリメントではあるものの、ダイエット効果については、あまり知られていません。カルシウム不足による脂肪酸の合成については前回、紹介しました。
もう一つのメカニズムは、カルシウムによる腸管の蠕動運動の促進です。摂取したカルシウムのうち吸収されるのは30%ほどで、残りは腸管を通って排泄されます。その腸管を通過している間に腸管の蠕動運動を盛んにして便通をよくしていきます。
三つ目は、胆汁酸の働きを抑える機能です。胆汁酸は肝臓の中に蓄積されているコレステロールを材料に作られ、十二指腸から分泌されて、脂肪を分解する働きがあります。胆汁酸が多く分泌されるほど脂肪が多く分解されてエネルギーとされていきますが、エネルギーとして使われなかった脂肪は肝臓で中性脂肪に合成されて脂肪細胞に蓄積されていきます。
胆汁酸が十二指腸で分泌されたときに、そこにカルシウムが多くあると胆汁酸はカルシウムと反応して石鹸化が起こります。変化した胆汁酸は、胆汁酸の働きをしなくなるので、その変化した分だけ脂肪が分解されなくなり、脂肪細胞に蓄積される脂肪が少なくなるというわけです。
肉類には脂肪とともにカルシウムも多く含まれています。肉食が多い欧米人はカルシウムも多く摂っているので、胆汁酸が分泌されてもカルシウムによって一部が変化して働きが抑えられるので、脂肪の害が少なくなります。日本人は脂肪の摂取が少なくても、カルシウムの摂取量が少なくなっているので、胆汁酸の働きが抑えられにくく、脂肪をエネルギー源として取り込みやすくなっているのです。
こういった情報は、「サプリメントプロ検定」の合格者の方々に定期的に発信している情報として提供していきます。