代謝と糖尿病7 糖尿病の判定基準

糖尿病は血糖値が高くなった状態を指しています。血糖は血液中のブドウ糖のことで、重要なエネルギー源のブドウ糖が血液中に、どの程度あるのかを示すのが血糖値です。

糖尿病の血糖値による判定基準は、日本糖尿病学会によって定められています。それによると、空腹時血糖値が126mg/dl以上、ブドウ糖負荷後2時間値が200mg/dlの、いずれかを満たしているものが糖尿病と判定されます。

正常値と糖尿病域の間が境界域で、空腹時が110~126mg/dl未満、食後2時間血糖値が140~200mg/dl未満となっています。
血糖値は血液中のブドウ糖濃度のことで、血液1dl(デシリットル)当たりのブドウ糖の量がmg(ミリグラム)で表されます。健康な人は早朝の空腹時の血糖値は100mg/dl以下で、食後でも160mg/dlを超える例はほとんどありません。

ヘモグロビン(Hb)A1cは、赤血球の中にあるヘモグロビン(血色素)のうちブドウ糖と結合しているグリコヘモグロビンの割合をパーセントで表した指標です。グリコヘモグロビンはブドウ糖と結びつきやすく、血液中のブドウ糖が多くなるほどヘモグロビンA1cの割合が高まっていくため、1~2か月間の血糖値の状態を知ることができます。健康な人のヘモグロビンA1cは4.3~5.8%とされています。

血糖値は食事内容や体調、ストレスなどによって常々変化しています。健康診断の数日前からブドウ糖が多く含まれる糖質の摂取量を少なくすることで、血糖値を低めに抑えることができます。しかし、ヘモグロビンA1cを測定することで、長期間の血糖値が、どのような状態であったのかを知ることができるため、糖尿病の重要な指標とされています。

要は、食事量を短期間減らしても、ヘモグロビンA1cを測定すれば、誤魔化すことができないということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕