消化・吸収・排泄の一連の流れがスムーズに行われていれば、便通もスムーズになるはずです。ところが、腸は非常にデリケートで、温度や湿度などの環境、体の冷え、ストレス、腸内細菌の状態などによって、腸の病気にまでは進まないまでも、さまざまなトラブルが引き起こされます。そのトラブルの代表的なものは便秘と下痢ですが、近年は下痢に悩まされている人が増えています。
下痢は、便に含まれる水分が多くなりすぎて、軟便や水様便となって排泄されるものをいいます。下痢は、腸管の炎症、ウイルスや細菌感染による疾患、分泌液の異常、糖尿病などの生活習慣病によっても起こりますが、ほとんどの場合には病気ではなく暴飲暴食や不規則な食生活、身体の冷えなどが原因となっています。
食品に含まれている食物繊維は、便秘の人には改善に効果を高めるものの、下痢の場合には消化が悪くなり、腸を刺激するため、食事で摂る食物繊維の量を少なくする必要があります。また、コーヒーやアルコール飲料、炭酸飲料などの刺激物も下痢を起こす原因となります。これらの飲料を日本人は、あまり摂ってこなかったことから日本人の腸には刺激が強すぎるといえます。