血液には身体に必要な成分を運搬する働きがあり、それらの成分は血管の末端まで運ばれます。末端から先は血管から溶け出して、その先にある細胞へと成分が運ばれていきます。細胞に新たな栄養成分や酸素を届け、細胞から排出された老廃物や二酸化炭素を血管に戻しているのは水です。
このように血管の端まで運ばれた成分は、その先の細胞まで運ばれていくのは通常の働きですが、脳細胞だけは通常とは異なっています。何が違うのかというと、血管の末端に、脳細胞に必要でないものは通さないようにする血液脳関門というゲートがあるからです。
これは脳細胞に不要なものを入れないようにして、必要なものだけを入れる仕組みです。血液脳関門を通過するもので最も有名なものはブドウ糖です。全身の細胞のエネルギー源はブドウ糖、脂肪酸、アミノ酸ですが、血液脳関門はブドウ糖しか通過させることができなくて、ブドウ糖は脳細胞の唯一のエネルギーとされるのは、血液脳関門の働きが関係しています。
血液脳関門を通過したブドウ糖は、ずっと脳細胞に保持されるわけではなくて、脳機能を低下させない充分な量が保持されているのは15時間ほどとなっています。夕食と朝食の間が12時間であれば充分にブドウ糖は使われるものの、朝食を抜いてしまうと昼食までは17時間ほど空くことになり、2時間ほどはブドウ糖が不足した状態になります。
そのために脳の働きが不十分になるというだけでなくて、脳は全身のコントロールをしている期間だけに、毎日2時間ほど充分にコントロールされていない時間があると、健康に影響が出てしまうのは当然のことといえます。
血液脳関門は、脳に悪影響を与えるものは通過させないと思われがちですが、実際には有害ミネラルを通過させます。特に通過しやすいのはホルモンを通過させる脳の部位です。というのは、ホルモンが脳から分泌されて血液中に放出される部位には血液脳関門がありません。そのため、有害ミネラルはホルモン分泌に影響を与えやすくなっているのです。
そういった身体に備わった仕組みと、その影響もDNA資格認定講習では伝えています。
〔発達栄養指南:小林正人〕