血圧が高い状態というと、強い圧力がかかっているので血流がよい状態と思われることがあります。血圧は心臓から送り出された血液によって動脈にかかる圧力のことで、心臓からの血流が同じ勢いであるとすると、血管のほうに問題があって血圧が上昇していることになります。
血管は弾力性があって、一時的に強い圧力がかかっても、それを弱めることができます。弾力性が失われるのは動脈硬化によるものですが、それ以外にも自律神経の交感神経の働きが高まったときにも圧力を弱めにくくなります。
交感神経が働いているときには、血圧の上昇、心拍数と呼吸数の増加などが起こります。交感神経によって血管が締められた状態になって、血流が低下します。血液循環がよいことは重要なことであるので、血流を確保するために心臓から血液が勢いよく送り出されるようになり、これが血圧を上昇させることになります。
血圧が高いときには、副交感神経の働きをよくするように、リラックスした状態での休養、ぬるま湯での入浴などがすすめられます。このことは腸内細菌のバランスをよくするためにも有効となります。
血圧が高くて、血流が低下しているということは、温かな血液が全身の隅々まで巡っていないということになります。血圧が上昇すると頭がのぼせるなど血液が集中する一方で、手足が冷えたりします。腸壁は身体の内側であっても末端になるので、皮膚と同じ状態です。手足が冷えているときには腸内も冷えています。腸内細菌の善玉菌は温度が高めの状態で活性化するので、血圧が高いと善玉菌が増えにくくなって、腸内環境が悪化することになるということです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)