サプリメント(supplement)は補助、補完、補充といった意味があり、食事に関して使われる場合には、不足する栄養素を摂取するためのものを意味しています。本来であれば不足しているものが何であるのかを知って、その上でサプリメントを使うのが正しい選択です。
ところが、何が不足しているのかわからないから、とりあえずマルチビタミンやマルチミネラルを摂っておこうと考える人もいます。そのように考えるのは、ビタミンもミネラルも多く摂っても、必要のないものは体の外に排出されると思い込んでいる方も多くいるからです。
ビタミンもミネラルも体内で多く保持されることがない、そのために毎日摂らなければならないと思っているから、そのような考えが出てくるわけです。その考えは当たっている部分もあれば、当たっていない部分もあります。問題となるのは当たっていない部分です。
ビタミンは性質から水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンとに分けられます。余分となったら排出されるのは水溶性ビタミンのほうです。脂溶性ビタミンのビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKは体内の脂肪に溶ける形で保持されます。だから、摂取量が少ないことが数日間あっても不足しにくくなっています。
その反面、脂溶性であるために過剰症が起こる可能性があります。脂溶性ビタミンが体内で多くなりすぎることで体調不良が起こります。食事から摂取するなら脂溶性ビタミンが過剰となるほど多くなりすぎることはあまりなくても、サプリメントは急に多くの量を摂ることもあり、過剰症の危険性は常につきまとっているのです。
ミネラルは過剰症が起こりにくいといっても、摂取の上限量が定められているものもあります。商品名としてはマルチビタミンであっても、多くの種類のミネラルを加えているものもあり、1日の摂取量がわからずに摂るのは危険だということです。
だから、サプリメントの摂取を考えるときには、その前提として自分が食事でビタミン、ミネラルを、どれくらい摂っているのか、バランスが取れているのか、本当にサプリメントを摂取する必要があるのかを知っておくことが重要になります。
サプリメントは一般の食品に比べたら、決して安いものではないだけに、無駄なことをしないためにも食事内容を確認することから始めるべきです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕