糖尿病は高血糖のために細小血管がもろくなり、合併症が起こりやすくなります。特に多い網膜症、腎症、神経障害は三大合併症と呼ばれています。
◎網膜症
糖尿病性網膜症では亡くなることは少ないものの、1年間に新たに約3000人が視覚障害になり、障害者手帳を交付されています。この多くは失明にまでいたっています。失明のほとんどは網膜剥離によるものです。目は多くの酸素を必要としていますが、血管がもろくなると運ばれる酸素量が少なくなります。そのため新しい血管を作り出すのですが、この血管は弱く、ショックを受けたときに網膜ごと剥がれ落ちることがあります。
◎腎症
慢性腎不全によって人工透析をしている人は年間30万人を超えています。そのうち約45%は糖尿病性腎症が原因で、もともと腎臓に原因があった人の割合を上回っています。糖尿病性腎症で人工透析を始めた人の寿命は、それ以外の腎機能障害が進行して人工透析を始めた人よりも、年齢によって違いはあるものの5年ほども短くなっています。一般の腎臓病は血液を濾過する糸球体が徐々に侵されていくのに対して糖尿病性腎症は細小血管だけでなく、糸球体も全体的に侵されるために合併症の進行が早くなります。
◎神経障害
神経障害は、合併症の中では比較的早く現れやすく、細小血管が傷んで神経細胞に血液が充分に送られなくなることから起こります。知覚神経の感覚が鈍くなっていると、足にできた傷が気づかないうちに悪化して壊疽(壊死を起こして部分的に腐っていく)となり、足の指や足の切断までいたる人も多くなっています。壊死になるのは糖尿病によって免疫力が低下していくことも関係しています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕