健康食品 敵か味方か5 健康食品に関わるきっかけ

健康食品に関わることになったのは、健康食品を「敵だ」と考えている臨床栄養(端的にいうと入院患者の病院給食と通院患者の食事指導)の世界にいたことでした。敵視しているのは、患者に対して食事・栄養指導をしても、健康食品を摂っているからといって指導どおりにしない患者がいて、健康食品の人気が高まるにつれて言うことをきかない患者が増えてきたからです。

そんな状況の中、厚生労働省が健康食品の情報を正しく伝える専門家を養成することを提案して、その審議の委員会が開かれることになりました。そのメンバーは健康食品業界の代表や医師、薬剤師、栄養士などでした。

そこに当時は病院栄養士が主宰する民間の研究所のメンバーも含まれ、その研究員であったことからサポート役として参加しました。しかし、健康食品を敵視する雰囲気の中で、元のメンバーが降りたことから取り残された形で参加することになりました。

審議の結果として出された通知(2002年)は当時の名称が異なるのですが、途中で「保健機能食品等に係るアドバイザリースタッフの養成に関する基本的な考え方」となって今も、これに基づいた養成が行われています。

これに従った形で複数の団体から資格認定者が輩出されました。その一つのNRが国立健康・栄養研究所の認定として始まり、その関係者が通知の委員会のメンバーであった関係で、アドバイザリースタッフ養成の法律講師を務めました。

健康食品の表示(広告やチラシ、パッケージなど)は、法律の規制の通知・通達に記載された文言だけが見られているわけではなくて、製品の内容によって監視の厳しさが違っているということがわかりました。

アドバイザリースタッフの機能性の講師は、顔見知りの栄養士や薬剤師であったことから、健康食品の素材の機能性についても学び続けることができました。そのおかげで、機能性と法規制という、自動車でいえばアクセルとブレーキの踏み方を覚えて、両方を踏まえた指導を健康食品業界に実施することができるようになりました。
〔健康情報流通コンサルタント 小林正人〕