人間は雑食であるため、必要とされる栄養素は、どれも欠かすことはできません。食べられない食品があるなら、それと同じ栄養素が含まれる別の食品を食べることが基本となります。
そこで食べられないものがあったときに、その中に含まれる主要な栄養素を示して、それが摂れる他の食品のリストの中から食べられるものを選んでもらうという代替食を示す方法としています。
すべての必要なビタミン、ミネラルについて確認をして、代替食が見当たらないときには、通常の食事ではない方法が考慮されますが、保護者から希望されることが多いサプリメントの使用は、まだ先の選択としています。
食事は栄養素を摂るためだけのものではなく、食品を食べるということは味覚、嗅覚、聴覚、視覚、触覚を刺激して、食べる行為が機能の向上(摂食、消化・吸収など)につながっていくものです。文化性をもった食事が脳の機能を高め、一生涯にわたる食事と健康にまつわる、さまざまなことに影響を与えるからです。
発達障害では感覚過敏から食べられない極端な偏食があっても、食品を変えることで少し緩和させて、料理の工夫や食環境の配慮などによって“極端な”偏食から“通常の”偏食、つまり修正可能な状態にしていくことも可能です。偏食の理由は味や食感などでなく、すべての感覚、記憶などが関わっているので、改善についても多方面からアプローチしていくことが必要になります。
こうした工夫でも対応できない偏食があったときには、日常生活に定着しているお菓子や飲み物で栄養の補給を考えていきます。幸いにして私たちは医療用食品から転じたカロリーメイトや、赤ちゃんの栄養補給のための粉ミルクを活用するという、無理なく無駄のない代替法を研究してきた成果があります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕