食生活が洋風化して肉食が増え、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)と呼ばれる太り過ぎの人が増えていることから、今の日本人は、かなりの食事量となっていると思われがちです。しかし、実際には、思った以上に食べていない実態があります。日本人が近年の中で最も食べていなかったのは戦後の食糧難の時代です。食べたくても食べられなかった終戦直後の昭和21年(1946年)の日本人の1日の摂取エネルギー量は平均1903kcalでした。
経済発展によって一時期は摂取エネルギーが増えたものの、現在は食べたいものはいくらでもあって、いつでも食べることができる時代であるのにも関わらず、1日の摂取エネルギー量は平均1889kcal(平成27年国民健康・栄養調査)と逆に減っています。これは男女の平均の数字です。
平成10年(1998年)までの調査では年齢別と全体の数字だけで、男女別には発表されていなかったのですが、平成11年(1990年)から性別データも発表されるようになっています。それによると現在の1日の摂取エネルギー量は男性が2110kcal、女性が1694kcalとなりました。男女別でみると、戦後の食糧難よりも摂取エネルギー量が少ないという状況になっています。
生活習慣病の患者が増えたのは、食べすぎによる弊害であると言われ続けてきましたが、食べる量が減っているのに太っている人が増えて、生活習慣病の人が増えるという、これまでの想定とは逆であることがわかります。
食べる量が減ると、それに比例するようにビタミン、ミネラルも減る傾向にあります。そのため、サプリメントとして不足する栄養素を摂ることが重要となってきます。もう一つ必要になるのは三大ヒトケミカルのα‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10です。これらの成分はダイエット目的のサプリメントに使われていることから、食べる量が減っていれば必要はないのでは、とも考えられがちです。
しかし、摂取エネルギー量が減っているということは、それだけ身体を正常に働かせるためのエネルギー源が少なくなっているわけです。少ないエネルギー源を効率的に使うためには、三大ヒトケミカルを摂取してエネルギー効率を高めることが重要になります。
α‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10については、このサイトの「サプリメント事典」に詳しく紹介されています。また、「サプリメントプロ検定」でも理解ができるように情報提供を行っています。