発達支援推進39 1人の発達障害児を何人の高齢者が支えるのか

高齢化と少子化が進む中、1人の高齢者を支える人が急速に減ってきています。支える人を現役世代(15〜64歳)として計算すると、いかに厳しい状態になっているかがわかります。

1965年(高齢化率6.3%)には現役世代が9.1人で高齢者1人を支える“お神輿型社会”でしたが、2010年(高齢化率23%)には現役世代が2.8人で高齢者を支えなければならない状況になって、これは“騎馬戦型社会”と呼ばれました。

2055年には高齢化率は40%を超えて、2.5人に1人が高齢者になると予測されています。この段階では高齢者1人を現役世代1.3人で支える状態になって、これは“肩車型社会”と呼ばれる状態になります。

現状(2022年)の高齢者(65歳以上)の割合は28.9%で、子ども(15歳未満)の割合は11.7%となっています。単純に計算すれば高齢者は子どもの約2.5倍はいることになりますが、介護率が年齢につれて高まり、85歳以上では60%ほどにもなっています。これを考慮しても、活動できる高齢者は子どもの2倍はいると予測できます。

騎馬戦型や肩車型のように高齢者が子どもを全面的に支えることを望んでいるわけではなくて、地域の中で集団によって子どもを支えるということを考えると、子どもを支援する人材は数多く必要となることになります。

ただ人数がいるから支えられるということではなくて、そのための仕組みも施設なども必要になります。発達障害児の支援を考えると、発達障害を理解して、発達障害児に対して、できることから支える活動に参加するということが必要だと考えています。そのためには、まずは発達障害児を理解するための仕組みを作り、理解を進める講習などから始めるべきではないでしょうか。
〔発達支援推進協議会 小林正人〕