テーマの「人生は勉強の連続」というのは、どの世界にも通じることですが、健康や子どもの支援に関わることについては学びに終わりがないとの認識で、常に情報を更新して、最新情報に基づいて行動を起こすことが必要だと感じています。
ただ新しい情報を得て、更新情報があれば修正していくというだけでなく、情報を伝える相手、その情報を活かしてほしい対象者が常に変化をしていく発達障害がある人の場合には、これで大丈夫、もう学ばなくてもよいという終着点はないはずです。
発達障害の特性として、「ストライクゾーンが極めて狭い」ということがあります。通常の考えからすると野球のストライクゾーンのように、ある程度の範囲(9分割の中)の対応ならストライク(セーフ)となるところですが、もしもストライクゾーンが9分の1しかないとしたら、そこに確実に当てはめるのは、なかなか困難なことです。
その狭いストライクゾーンが決められていればよいものの、個人によって異なり、さらに状態によってストライクゾーンが移動するということになると、これまでストライクだと思っていたところがボール(アウト)になることも普通に起こります。
それでも極めて狭くて、変化するストライクゾーンに対応するように発達障害の研究は進められていて、この対応なら、まず大丈夫だろうということもわかってきました。しかし、それは現状の年齢(例えば就学前の5歳)に対応できることで、小学校という環境が大きく変化したときには、まったく通じなくなるかもしれません。
その世代の子どもの環境と変化、特に発達障害児の微妙な変化を知っても、それで正解とは言えないところが発達支援の難しいところです。
だから、発達障害児について理解を進める講習と、食事での改善にアプローチする講習では、学んだことがすべてではなくて、その後の情報提供などを受けて、新たな発想のもとで考え、実践していくことが重要になると認識して講習に取り組んでいます。
〔発達栄養指南:小林正人〕