日本人に特に影響を与えている肥満遺伝子として、β3アドレナリン受容体遺伝子のほかに、脱共役たんぱく質1遺伝子とβ2アドレナリン受容体遺伝子があげられます。
β3アドレナリン受容体遺伝子タイプの人は、中性脂肪の分解が進みにくいことに加えて、インスリンの分泌が低く、血糖値が上昇しやすい特徴もあります。ブドウ糖が多く含まれる食品を食べると、ブドウ糖が肝臓で脂肪酸に合成されやすく、中性脂肪に合成されたあと内臓脂肪として蓄積されやすくなっています。日本人の約30%が相当し、1日の基礎代謝量は200kcalほど低くなっています。
脱共役たんぱく質1遺伝子タイプの人は、脂肪の代謝が低いために余分な脂肪が内臓脂肪として蓄積されやすく、下半身に皮下脂肪が蓄積されやすいのが特徴です。日本人の約35%が相当し、1日の基礎代謝量は100kcalほど低くなっています。
脂肪の多い食事を好み、味が濃い料理を好む傾向があります。食事量を減らすと体温が下がり、内臓脂肪が減りにくく、そのため皮下脂肪も減りにくくなります。
皮下脂肪は運動によって減りにくいものの、内臓脂肪が減ったあとに皮下脂肪が減っていくため、運動の効果が出るまでには期間がかかります。有酸素運動で内臓脂肪を減らすことから始めるようにします。
β2アドレナリン受容体遺伝子タイプの人は、エネルギー代謝が低いために、太った後にはやせにくい特徴があります。若いときにはやせていたけれど、現在は太っている人に多くみられます。日本人の約20%が相当し、1日の基礎代謝量は200kcalほど高くなっています。
食事だけでは筋肉を増やして、代謝を高めることができないため、運動が必要になります。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)