Medical Diet169 ダイエットの始まりは粉ミルク

ダイエット(diet)は、もともとは方針、戦略、作戦などの意味で、国の方針を決定する国会は「the Diet」と表記されています。東京メトロの国会議事堂前駅の英語表記は「National Diet Bldg.」なっています。

この説明と同時にdietについて話をするテーマは「dietitian」です。これは栄養士のことで、ダイエットをする人ではなくてダイエットをさせる人を意味しています。この場合のダイエットは、やせるという意味ではなくて、栄養指導、食事療法を指しています。

病院の栄養管理は「hospital diet system」となり、ダイエットは医療に携わる人であれば「病気にならないため、病気を改善するため」の食事療法だと理解しています(おそらく理解しているはず?)。

ダイエットという言葉が、いつから痩身(やせる)の意味で使われるようになったのかということについては諸説ありますが、メディアに初めて登場したのは記録でわかっています。文献検察で明らかにされているのは主婦の友社の雑誌『わたしの健康』(現在は『健康』)で、初めてダイエットが使われた記事は「粉ミルク健康法」でした。

ダイエットのために粉ミルクを活用するということでしたが、このときのダイエットの意味も食事療法の一環でした。過剰な栄養摂取を改めつつも、必要な栄養素は確保するということで、赤ちゃんが健康的に成長するために必要な栄養素が含まれている粉ミルクを活用する方法が紹介されていました。

粉ミルクを飲めばよい、牛乳の代わりに粉ミルクを飲むというだけでなくて、全体の食事量は減らしつつも必要な栄養素を確保する食事をして、それで不足する栄養素を粉ミルクで摂取するというサプリメント(通常の食事で不足する栄養素を補うもの)の発想でした。

この記事の監修者は大手乳業メーカーの研究所出身の薬学博士で、私の義父です。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)