発達支援推進42 発達支援の“お神輿”を担いでほしい

発達障害児(18歳未満)と発達障害者(18歳以上)の支援というと、支援をされる方々だけでなく、その支援を行う人に対して何をすべきなのかということも重要になってきます。

立場的に上にいる人が「上から目線」で発達障害児と発達障害者に対して実施するのはピラミッド式のスタイルですが、発達支援は“施し”の感覚ではなくて、広く関わる方々が皆の力を集って、一緒に力を出していくということで、スタイルとしては、お祭りでお神輿を担ぐ形に似ています。

発達支援というと、特別な行動というイメージがあって、専門家が力を注いでいくという印象があります。しかし、発達障害に関しては、特別な人が特に力を注いでいくということではなくて、それぞれができることから取り組んでいくことが大切と考えられています。

お神輿というと“お祭り”で、お祭りを開催するためには、集う場所としての“神社”が必要になります。何もお祭りは神社がなくても実施しようとすれば不可能ではないものの、神社なしでは、どうにも締まらない感じになります。

私たちが発達障害児のために実施することは、神社のようにシンボルとなる存在がなくても成り立つことではあるのですが、発達障害は生涯にわたって特性が継続することから、生涯にわたって継続する象徴的なものでなければならないと感じています。

同じ“お神輿”を担ぐということは、少々の利害関係はあったとしても、大枠としては差がないものです。

利害というのは、個人の利益、狭い地域での利益のことであって、広い地域、多くの人たちを意識したときには、大な影響を与えることではなくなります。

狭いエリア、小さな業界で争うのではなくて、多くの人の公益を考えたら大したことではないはずなのに、活動エリアの奪い合い、助成金の奪い合いといった小さな利益を争っている例を多く見聞きします。

そのようなことがないように、大きな“お神輿”を担ぐことを考えて行動を起こしてほしいのです。
〔発達支援推進協議会 小林正人〕