発達栄養96 家庭用洗剤も残留は危険

栄養摂取は、食品に含まれる栄養素の質と量が確保されていることが大前提となりますが、安全な食品であることも大切です。有害性がある物質が含まれていると、それを体内で分解、解毒するために多くの栄養素が消費されてしまいます。

発達障害では極端な偏食が起こりやすく、極端とまではいかなくても、味覚、嗅覚、聴覚、視覚、触覚の感覚過敏から食べられない、食べているとしても困難さを抱えたままの食事となります。そのために摂取できる栄養素が減っているので、少なくとも分解、解毒に大切な栄養素が使われないようにすべきです。

そのような状態があることを考えると、食べ物の安全性とともに、食器の安全性も考慮する必要があります。食器の安全性というと、食器そのものの素材が注目されがちですが、食器を洗う洗剤のことも考えなければなりません。

食器を洗った中性洗剤は、しっかりと洗い流していれば洗剤は食器には残っていないというのが前提ではあるのですが、食材と洗剤の関係で、どれくらいの時間、流せばよいのか、どのような水流の量が必要なということは実験してみないとわかりません。

そのための実験に使われるのが普段から使っている油を食器に塗って、そこの上に中性洗剤を落として、こすってから水を流す方法です。このときに使うのは白い食器ではなくて色付きの食器です。油と中性洗剤が混ざると乳化して食器から離れにくくなります。白い食器だと中性洗剤と脂肪が混ざった状態でも残留していても見えないのです。

最も残留がわかりやすいのは鏡です。少しでも残っていると曇り状態になって、目で確認できます。まずは水流だけで流してみて、どれくらいの時間で流れ落ちるか確認します。思ったよりも長い時間、勢いのある水流でなければ落ちなかったとしたら、それが食器に残ったままになっていて、その上に食べ物を乗せて食べていることに気づきます。

水流を当てるだけでは落ちなかったら、手やスポンジでこすることになります。どのような洗い方なら安心できるのか、子どもの健康(家族全員の健康)を考えるときには、実験をして確かめるべきです。