健康食品の法規制22 効能本に対する規制

健康食品の効能効果を述べるバイブル本は、商品名も出ていない、販売会社の名前も問い合わせ先も出ていないことが原則になります。一時期は書籍の中に問い合わせ先が出ていたことが規制されたときに、書籍の中に記載するのではなくて、栞(しおり)に問い合わせ先を記載して逃れようとした会社もありました。しかし、すぐに発見されて、栞に記載しても書籍の中に記載しているのと同様に広告とみなされて、取り締まられるようになりました。

問い合わせ先も書かれていない、通常の書籍と同じ形で発行しておいて、この書籍を購入して、問い合わせ先の書かれたシールを貼って配布した会社がありました。これも広告とみなされて規制の対象となっています。

これらの規制は健康食品を規制する医薬品医療機器法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)と、それに基づいた「無承認無許可医薬品監視指導マニュアル」を用いて行われています。

このマニュアルの中には、書籍や冊子も商品とともに見せた場合には広告として取り締まられることが書かれています。広告やチラシ、ホームページなどに書籍と商品を並べて出すのではなくて、広告などでは商品だけ、書籍は別に知られるように見せるというスタイルで効能効果を述べることも行われていますが、これも規制の対象となります。

新聞記事も販売のための広告とみなされます。健康食品の業界紙には商品の名称を出すか出さないかは別にして、特徴的な素材を示して、その効能効果を記事にして出しているところがあります。その記事の書いてもらうのに、お金が必要なところと不要なところがありますが、それとは関係なしに、記事のコピーをチラシなどに示して、商品名や問い合わせ先が書いてあると、これは効能効果を書いて販売しているとみなされます。

販売を意図したチラシにバイブル本の表紙だけを示す例もありますが、商品名と共通するタイトル、サブタイトルが出ている場合も、書籍の紹介ではなく効能効果の広告とみなされて規制されます。
〔健康情報流通コンサルタント 小林正人〕