2本のポールを使ったノルディックスタイルのウォーキングには、北欧発祥のスポーツ感覚で歩く方法と、日本発祥の安全性を保ちつつ運動効果を高めるために歩く方法に大きく分けられるということは前回、説明しました。
前者はノルディックウォーキングと呼ばれていて、上肢の力も使って、グイグイと勢いよく歩く方法です。ノルディックウォーキングはクロスカントリースキーの夏場のトレーニングとして始まったこともあって、ポールを後方について、距離競技のスキーのように前進の勢いが重視された歩き方になっています。
後者はポールウォーキングやノルディック・ウォークと呼ばれていて、ポールは前か横について4点歩行によって足腰の負担を減らし、姿勢を保って歩き続けることができる利点があります。
運動量としてはノルディックウォーキングのほうが高くなっています。平らな土地をスムーズに歩くときにも威力を発揮するのですが、苦手とする路面もあります。それは坂道で、路面に触れるゴムパッドが斜め45度になっていることから、上り坂も下り坂もゴムパッドがフィットしません。
これに対して、ポールウォーキングやノルディック・ウォークのポールはゴムパッドが丸型か円盤型になっていて、路面の角度に合わせることができます。そのため安定して歩くことができます。長距離を歩くには、こちらのほうが優れていて、年齢を重ねた人に合っています。
どちらの歩き方も指導しているので、両方のポールを使い分けていますが、それは指導するときだけでなくて、普段でも使い分けをして歩いています。筋力(筋収縮力や筋持久力)や心肺機能を短時間で鍛えるときにはノルディックウォーキング、筋代謝力を鍛えて時間をかけてエネルギーを多く作り出すときにはポールウォーキングといった使い分けです。
ポールを用いたストレッチやスクワットなどの筋肉トレーニングには、ポールウォーキング用のしっかりと握ることができるポールを有効活用しています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕