理想実現のための代謝促進2 太ることもダイエット

ダイエットとメディカルダイエットの違いを説明することは、私たちがメディカルダイエットを法人の名称に使っている限りは、必ず聞かれることであり、それについて正しい理解が得られるように時間をかけて説明していくのは当然のことと考えています。

ダイエットというと、やせること、食べる量を減らすことという意味だと思っている人が多いのは、仕方がないことです。ダイエット(Diet)は食生活を意味していて、食事療法、栄養管理の意味だというのが辞書的な説明です。栄養管理はDiet System、栄養士はDietitianと表示されます。

さらにDietの元の意味から説明すると、方針、戦略、作戦といった意味があり、国の方針を決める国会は「The Diet」です。東京メトロの国会議事堂前駅の英語表記は「National Diet Bldg.」です。“国のやせるためのダイエットのビルディング”ではありません。

健康のために立てた方針に従って、正しい食生活をするのがダイエットで、そこから栄養管理、食事療法の意味で使われるようになりました。健康のためということで、運動療法にも使われることとなり、やせることを求める人が一般的には多いことから、「ダイエット=やせる」というような意味合いが浸透していったということです。

人によっては太ることもダイエットです。もっと体脂肪を増やしたい、筋肉をつけたいと願っている人も多く、そのためには脂肪を減らさないように脂肪代謝に効果がある有酸素運動を避けようとする人もいます。

しかし、エネルギー代謝によって多くのエネルギーを作り出して、そのエネルギーによって体内で合成されるタンパク質を増やして、筋肉細胞を増やすためには、有酸素運動は効果的な手段です。筋肉を増やすためには成長ホルモンが必要です。

筋肉を増やすためには運動によって傷つけられた筋肉細胞が修復されることが必要で、その修復のためにはサテライト(衛星)細胞というタンパク質を集めてくる細胞が重要になります。そのサテライト細胞が働くためには酵素(AMPキナーゼ)が必要になります。また、細胞の中でエネルギーを使って生化学反応を起こしているのも酵素で、その酵素を作り出すためにもエネルギーが必要になります。

筋肉をつけて太るためのダイエットには、多くのエネルギーを作り出す有酸素運動が大切になるということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕