1日に3食を食べるうち、どれが一番重要なのかという論議があります。どれも抜くようなことがあってはいけないものですが、脳を正常に働かせるためのエネルギー源のブドウ糖の摂取でいえば朝食は重要です。ブドウ糖や脂肪酸をエネルギー化させるために必要となるビタミンB群のうち12時間しか体内に保持されないビタミンB₆とビタミンB₁₂であることを考えると、朝食と夕食が重要になります。
朝食を少ししか食べずに学校や職場に行っている人にとっては、昼食は重要な栄養摂取の機会となります。子どもの栄養調査で、学校給食がある時期とない時期(休みの期間)を比較すると、学校給食がない期間の栄養摂取が低くなっていることが文部科学省の調査でも明らかにされています。
栄養摂取だけでなく、食事には重要なことが多くあり、昼食が重要なコミュニケーションの場になっていることや、食について学ぶ機会になっていることもあります。
朝食と昼食で摂った栄養素は活動のために使われる部分が多いのですが、夕食は体内に蓄積されて、身体を作り、エネルギー源を蓄えておく重要な食事となります。夕方以降は自律神経の副交感神経の働きが盛んになり、胃液とインスリンが多く分泌されて、エネルギー源として体脂肪(中性脂肪)が多く蓄積されるようになります。このエネルギー源を使って、寝ている間と翌日の午前中のエネルギーとしています。
夕食で摂取した栄養素は、夜から朝は活動量が少ないので、より多くのエネルギー源を蓄積することができます。より多くのエネルギー源と、それをエネルギー化するために必要なビタミンとミネラルを多く取り込むためには、ゆっくりと食べること、消化がよいものを食べること、食べたあとにリラックスする時間を取って、より吸収を高めるようにすることが大切、という当たり前の話を今回はしています。
〔発達栄養指南:小林正人〕