あくまでも噂話107「価格を決定する権利の変化」

大手電機会社が販売価格を、販売店ではなくて、製造する会社が決定する商品を20%に増やすということが報道されました。電機製品の価格は販売店が決めるのが、これまでの常識で、店によって販売価格が違うので、少しでも安く買おうとしたら複数の店舗を回る、ネット通販でも比較できるだけ比較するということが当たり前のことでした。

このことがテレビのニュースで取り上げられたときに、「あの会社だから可能なこと」と報道されていましたが、そのニュアンスが実態と違っていました。“あの会社”と言われていた会社は、他の会社とは違った社内流通が行われていて、製造部門から販売部門が、別の会社のように交渉して取り引きをしています。

製造部門は売りやすい製品を作って、販売部門に高く購入してもらうように努力します。販売部門からは製造部門に売りやすい製品を作るように交渉をします。こういった努力を長く続けてきたので、販売価格を電機会社が決めても販売店や購入者の希望から外れた製品が出ないで済む、希望に合致した製品が出されるということも可能だということです。

こういった動きはあっても、まだまだ電気製品は販売店に価格決定権はあります。価格決定権が販売店にあるのは絵画の世界も同じです。これは画家と画廊が直接の取り引きをしているからです。途中に仲介者が入ると、その仲介者が販売価格を決めることもあります。仲介者は問屋の役割をしていると、他の業界と同じで問屋が決めることになります。その例としては着物の世界があげられます。

自動車の場合はメーカーが価格を決定しています。販売店が値引きをするにしても限られた範囲の中で行われるだけです。その価格決定の常識は、今から77年前の終戦後から続いていることです。自動車メーカーが決定した価格に合わせて製鉄会社が提供してきました。ところが。自動車メーカーと製鉄会社が提携をして、製鉄会社の異貌が通りやすくなるという報道発表がありました。

これをきっかけに、価格決定権が過去の常識から変わる、それが販売価格に影響するという時代が始まっているのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)