ウォーキングによる健康効果を高める方法として、一定の速度を保つこと、できることなら普段の速度よりも少し早く歩くことがすすめられます。長く歩いていて、疲れてくると自然とスピードが落ちていくものですが、それを防ぐためには1人ではなくて、2人で歩くようにすることです。
マラソンの場合には記録を狙うときには、つまり以前よりも速く走るときにはペースメーカーがつけられます。走るわけではないのですが、歩くときにもペースメーカー役を務める人と一緒だとペースを保ったまま歩き続けることができます。
お互いに体力の増強、心肺能力の向上といった目的があれば、一緒に歩いている人よりも1歩でも2歩でも先に行こうとして頑張って歩くということもできます。無理をすることなく、少しだけ先に行こうとすることで、前進のために使う筋肉が鍛えられていきます。臀部から膝裏にかけての筋肉は、いつものペースで歩いていたのでは強化しにくく、歩幅を広げて歩くことで刺激されます。
お互いに速さを競って、先に行こうと無理をすることはないのですが、前に踏み出す勢いのある歩き方が筋力を高めてくれます。
筋力は一般には筋収縮力を指していますが、これは重いものを持ち上げたり、下半身ではスクワットをしたときに鍛えられる能力です。少し筋肉に負荷がかかった状態で運動を続けていると筋持久力がついてきます。これは疲労物質がたまりにくく、効率よく歩くことができる能力です。
もう一つは筋代謝力で、筋肉が動くことで有酸素運動として大きなエネルギーを作り出す能力のことです。この能力がつくことで、糖や脂肪を効率よく使えるようになります。筋代謝力は少しだけ負荷がかかった状態で、長く歩き続けることによって高めることができます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕