1)LDLコレステロール値が高い場合
◎適正なエネルギーの摂取
食べすぎや肥満は、肝臓でのコレステロールの合成を促進します。太っている人は食事量を減らすことで、体重を減らし、肥満が解消されると血液中のLDLコレステロール値は低下します。1日に必要なエネルギー量は、性別、年齢、活動量などによっても異なりますが、肥満の人の場合には標準体重1kg当たり25~30kcal、肥満でない人は標準体重1kg当たり30~35kcalを目安にします。
◎脂質の摂りすぎに注意
油脂は、構成成分である脂肪酸によって、身体への作用が異なります。動物性の脂肪に多く含まれる飽和脂肪酸には、血液中のLDLを上昇させる作用があります。それに対して植物油や魚油に多く含まれる不飽和脂肪酸には、血液中のLDLを低下させる作用があります。
植物油に含まれる脂肪酸の中で、リノール酸は多く摂りすぎるとLDLを減らすだけでなく、HDLも減らす作用がありますが、オレイン酸はHDLを減らさないとされています。魚油に含まれるEPAやDHAには、血小板凝集抑制作用があり、血栓予防効果が期待されます。肉食を減らし、魚食を増やすとともに、植物油も適量を摂るようにします。
◎食事由来のコレステロールの制限
LDLコレステロール値が高い人では、調整能力が落ちているため、レバー、いくら、かずのこ、たらこ、うに、鶏卵などのコレステロールが多く含まれた食品の摂りすぎはLDLコレステロール値を上昇させます。LDLコレステロール値の高い人では、食事からのコレステロール摂取量は1日300mg以下が目安とされます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕