健康食品の一つの機能性表示食品は、その名のとおり機能性を表示して販売することが許可されている食品です。その広告などを見ると、有効性が示されていますが、広告に図表を出すときには小さな字で調査対象についても示されています。どんな人を対象にしたのかも気になるところですが、どんな生活をしていたのかも重要で、食事と運動を心がけた上で摂取していたことが書かれているものがあります。
その生活をしているからの結果であったら、正しい食生活と運動習慣なしに、ただ摂取すれば好結果が得られるわけではないことに気づくはずです。これは各人が、これまでの食生活や運動習慣を改めることなく、自由に生活をしてもらっていると凸凹が多すぎて、比較試験をするのにふさわしい対象者ではなくなるからです。
太っている、血圧が高い、血糖値が高い、中性脂肪値が高いという人が、すべて本人の食生活などに問題があると言うつもりはないのですが、食事内容が関係していることが多く、これを一般的な状態にすることで、ある程度は改善がみられるものです。
ということで、有効成分が含まれた本製品(本物)を摂っている人だけでなく、有効成分が含まれていないプラセボ(偽物)を摂っている人でも改善がみられることも当然のように起こります。
生活の改善は生活習慣病の予防にも改善にも役立つことなので、機能性表示食品を使うときには、試験をしたときに実施したことと同じ生活をすれば、同じような結果が得られることは当然のように期待できます。生活が乱れた状態で、ただ摂取すれば期待される効果が得られるわけではないということです。
もう一つ言えることは、生活を改善するだけでも好結果が現れる可能性があるということで、どんな改善が求められたのかを知ることも、機能性表示食品の試験結果を見るときの楽しみの一つにもなっています。
〔健康情報流通コンサルタント 小林正人〕