理想実現のための代謝促進12 筋肉を増やすためのL‐カルニチン

L‐カルニチンというと、ダイエットを目的とした健康食品やサプリメントに使われていることから、どうしてもダイエット素材と感じている人が多くなっています。しかし、L‐カルニチンは、もともとはカルニチン欠乏症に使われる医薬品の成分で、L‐カルニチンが不足している人に対するエネルギー代謝を盛んにするための重要な成分です。

L‐カルニチンは体内で必須アミノ酸のリシンとメチオニンから合成されていて、脂肪酸を結合して細胞内のミトコンドリアに運搬するために必要な成分です。必須アミノ酸からの合成と同じように合成できる技術が確立されたことから、医薬品だけでなく、食品の成分としても厚生労働省から使用が許可されました。

L‐カルニチンを摂取するとエネルギー代謝が高まって、余分な脂肪酸を減らす効果が得られることから、ダイエット素材との認識がされがちですが、エネルギー代謝が進んで、細胞の中で作り出されたエネルギーが起こすことが注目されています。それは細胞内でタンパク質を合成する働きと、そのタンパク質を筋肉に取り込ませる働きです。

細胞内で使われるタンパク質を作っているのは肝臓で、その材料となっているアミノ酸からタンパク質に合成されるときにエネルギーが必要になります。タンパク質が多ければ筋肉が増えていくわけではなくて、筋肉は運動をすると傷つきます。その傷を修復するためにはタンパク質が必要で、修復によって筋肉は増えていきます。

この修復のためのタンパク質を集めてくるのがサテライト(衛星)細胞で、集めてくるときにも、タンパク質を筋肉に取り込ませるためにもエネルギーが必要になります。エネルギーは筋肉細胞の中で作られて、その中だけで使われています。

筋肉細胞にはミトコンドリアが数多くあり、筋肉が動くことで多くのエネルギーが作られます。そのため、筋肉を動かして多くのエネルギーを作り出すことが筋肉を増やすために必要になってくるということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕