少し止まって考える歩く健康づくり

「人」という漢字は、人と人が支え合っている姿を示しているというのは、教訓の一環でよく使われることですが、それと並んでよく使われるのが「歩」です。歩くというのは、「少」と「止」を合体させた漢字で、歩きっぱなしではなく、少しは止まって考えることが大切だという説明が行われています。

少し止まったからといって、何かを考えなければならないことはないはずですが、教育的な意味で使われることが多いので、少し止まって考えることが大事というように伝えられています。

これまでのウォーキングは、“歩けば健康”、“歩けるうちは健康”ということで、より健康になるために、自分の目的をかなえるために、どのような歩き方をすればよいのかということは考えられずに、ただ長く(距離と時間)歩くことが求められてきたところがあります。

これは日本ウオーキング協会の前身である歩け歩けの会のとき(1964年の前の東京オリンピックの年)からの伝統で、歩行距離を誇ってきました。歩行距離で目指すのは地球1周分(赤道の位置)に近い4万kmです。

カウントされるのは日本ウオーキング協会が所管する大会での認定距離だけなので、先に参加した人が優位で、途中から参加した人は追いつけないということで、長く歩ける大会ほど参加者が多いということがありました。

歩く距離と時間が短くても、それぞれの人の目的に合わせた歩き方、身体の状態に合わせた歩き方をすれば、より健康になることができます。そのための方法を提供するために、運動科学と臨床栄養の研究に基づいた歩行技術を考えてきました。

それについては、連続掲載は終わっているのですが、「ツイン・ウォーク」の中で生活習慣病や身体の特性に合わせた効果的な歩き方について紹介してきました。それは最新情報のバックナンバー(一覧を見る)に詰め込んであります。

歩いてみて、効果のほどを考え、自分に最も適した方法を考えるために、少し止まってみるということを、健康ウォーキングの実践では推奨しています。そして、教訓のように参加者に話すようにもしています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕