発達障害の支援は、発達障害者に対して、心理機能の適正な発達を支援したり、円滑な社会生活を促進するための個々の発達障害者の特性に対応した医療的、福祉的及び教育的援助が第一義となっています。これは発達障害者支援法の第二条(定義)に示されています。
ここに示されたことを実施するのは、通常の感覚では国の責務というように思われがちです。発達障害者支援法では、第三条に「国及び地方公共団体の責務」が掲げられ、国や地方公共団体は発達障害者の心理機能の適正な発達及び円滑な社会生活の促進のために発達障害の症状の発現後できるだけ早期に発達支援を行うことが特に重要であるとして、発達障害の早期発見のため必要な措置を講じることを定めています。
早期に発見して、早期に改善のための対処をすることで、発達障害であっても状態を軽減させ、本人や家族などの困難さを少しでも解消しようという考えに基づいています。
発達障害者支援法の第三条でも、国や地方公共団体は発達障害児に対して、発達障害の症状の発現後できるだけ早期に把握して、状況に応じて適切に、就学前の発達支援、学校における発達支援が行われるようにすることが定められています。また、発達障害者に対する就労、地域における生活等に関する支援、発達障害者の家族その他の関係者に対する支援が行われるよう、必要な措置を講じることも定められています。
これに従うなら、国だけでなく、生活をする地域の自治体も発達障害児を早期に発見するための活動をしなければならないこととなります。その早期発見を学校や医療機関に任せておけばよいということではなく、自治体(市区町村)としても早期発見のために住民が発達障害を理解する機会を設けなければならないわけですが、実態は法律違反と言われても仕方がない状況となっています。
この発達障害者に対する責務は、国民一人ひとりにも定められており、発達障害者支援法の第四条には「国民の責務」として、「国民は、個々の発達障害の特性その他発達障害に関する理解を深めるとともに、基本理念にのっとり、発達障害者の自立及び社会参加に協力するように努めなければならない。」と書かれています。
理解をするための勉強の機会を得ることを個々に求めても国民的な理解を進めることはできないことから、やはり自治体が着手するべきこと、自治体だけで不可能であれば民間との協働で実施することが求められています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕