サプリ概論253 機能性表示食品の事後チェックの透明性5

(2)届け出された機能性に係る表示
ア)機能性表示性食品に含有される成分のうち、機能性関与成分に関する資料については、「機能性表示食品の届出等に関するガイドライン」と「機能性表示食品に対する食品表示等関連法令に基づく事後的規制(事後チェック)の透明性の確保等に関する指針」に沿って客観的に実証された届出資料である限りにおいては、景品表示法で求められる「合理的な根拠を示す資料」として評価されます。

そのため、届け出された機能性の範囲内で機能性関与成分の説明を表示することは、景品表示法上の問題とはなりません。

その一方で、機能性関与成分であっても、届け出された機能性の範囲を逸脱した説明は、景品表示法上の問題となるおそれがあります。

なお、「合理的根拠資料」については、「不当景品類及び不当表示防止法第7条第2項の運用指針」において考えが示されています。

イ)機能性表示食品は、食品表示基準第9条第1項第8号ロ及び第23条第1項第6号ロの規定によって、食品表示基準第7条の規定に基づく栄養成分の補給ができる旨及び栄養成分または熱量の適切な摂取ができる旨の表示をする場合を除いて、消費者庁長官に届け出た機能性関与成分以外の成分を強調する用語の表示は禁止されています。

広告その他の表示において、機能性関与成分以外の含有成分を強調した表示をすることは、一般消費者が機能性表示食品に含まれる成分には科学的根拠があるものと保健機能食品制度全体に対する一定の信頼を有していることに鑑みて、その成分が機能性関与成分であるかのように誤認する蓋然性があり、景品表示法上の問題となるおそれがあります。

ウ)機能性表示食品は、疾病に罹患している者を対象としたものではなく、疾病の予防・治療等を目的とした医薬品的効果効能を表示することはできません。このため、広告その他の表示において、医薬品や医薬部外品で認められているような効果効能を標ぼうすることは、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)に抵触するおそれがあるのは言うまでもなく、届け出された機能性の範囲を逸脱したものとして景品表示法上の問題となるおそれがあります。

エ)届け出された機能性の科学的根拠が得られた対象者の範囲が限定されているにもかかわらず、対象の範囲外の者にも同様の機能性が期待できるものと訴求することは、一般消費者が対象者の特性を問わず表示される機能性が期待できるものと誤認する蓋然性があり、景品表示法上の問題となるおそれがあります。