発達障害支援5 千差万別の対応

発達障害児を支援する施設の名称や団体名に“なないろ”“にじいろ”が使われることがあります。なないろは七色のことで、1色ではなく7つの色の対応が必要だという意味を持たせているところが多くなっています。にじいろのほうは虹色で、これも7色と思われがちですが、虹の両端の外側には目では見えない紫外線、赤外線があり、見落としがちなところにも目を配るという意味で使っているところもあります。

実際には7色や9色ではなく、十人十色でもなく、百人百様、もっと多い千差万別の対応をしなければならないのが発達障害児支援の大変なところです。1万もの対応が必要だと言いながらも十人十色の対応で終わっているところもあり、10パターンの中から選び、そのパターンに当てはめようとする例も少なくありません。

指導する側の都合で選んだ対応策を掲げて、それに当てはまらないと「あれもダメ」「これもダメ」と、決めつけたダメ出しをする人もいます。初めから千も万も対応策を用意しておくことは大変であっても、少なくとも百様の中から最も合う方法を導き出していく姿勢は重要です。

一時期、「99の方式」「99の戦略」と名付けた書籍やマニュアルが流行したことがあります。これを100にしないのは、決めつけるのではなくて、99の方法を参考にして最良の1を新たに導き出してほしいという意図があります。

99に限らず、10でも20でも、指導する側が自分の知っているパターンに合わさせようとするのではなく、それぞれの人に対して最良の方法を考えていくことこそが千差万別の対応となります。

そのためには、99を知っておかなければならないわけで、だからこそ発達障害を理解するためには全体像がわかるテキストや講習が必要であり、そのように変化しても大丈夫なようにテキストや講習を補う情報提供、Q&Aの対応をしていくことが重要になるということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕