理想実現のための代謝促進18 エネルギーロスから考えるエネルギーの重要性

エネルギーロスというと、食事で摂取したエネルギー源が失われていくことを指していて、前回は三大エネルギー源の糖質、脂質、たんぱく質が、そのままエネルギーになるわけではないという説明をしました。

糖質から変化したブドウ糖、脂質から変化した脂肪酸、たんぱく質から変化したアミノ酸は、細胞のミトコンドリア(エネルギー産生器官)に取り込まれてから、高エネルギー化合物のアセチルCoAになり、これがTCA回路に入ってエネルギー化されていきます。

ブドウ糖、脂肪酸、アミノ酸に変化するときにも、アセチルCoAに変化するときにも複数の水溶性ビタミンが必要で、これが不足しているとアセチルCoAが不足します。また、TCA回路は4種類のビタミンB群(ビタミンB₁、ビタミンB₂、ビタミンB₆、ビタミンB₁₂)が必要になるので、その不足はエネルギー量の低下に直結します。

細胞の中で発生したエネルギーは、細胞を働かせることにも使われます。その働きによって使われるエネルギー量は違っています。細胞内で発生したエネルギー量のうち、どれくらいが使われるかということですが、これには個人差があって、平均的な割合しか出すことはできません。

その平均的なところで紹介すると、脂質は3%、糖質とたんぱく質は20〜24%とされています。この差は、体内で消費されなかったエネルギー源が肝臓で中性脂肪に合成されることと関係しています。糖質も脂質もたんぱく質も余ったものは肝臓で脂肪酸に合成されて、続いて脂肪酸が3個結びついた中性脂肪となります。中性脂肪は貯蔵タイプの脂肪で、脂肪細胞に蓄積されるのは中性脂肪です。

食品の脂質が脂肪酸に合成されるときには、同じようなものに変化するので、エネルギーが少なくて済む、つまりエネルギーロス率が低くなっています。それに対して糖質とたんぱく質が脂肪酸に合成されるときには異なるものに変化するので、多くのエネルギーが必要になります。

脂肪酸への合成は夕方以降に盛んになるので、夕食で脂肪を多く摂取するとエネルギーロス率の関係から、より体脂肪として蓄積される中性脂肪が増えることになるわけです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕