健康食品と医薬品の相互作用についてと、それをまとめた世界データベースの「ナチュラルメディシン・データベース」(natural medicine database)について前回、紹介しました。これは健康食品と医薬品の飲み合わせによって起こることの情報が世界的に集積されているとともに、健康食品の機能性の評価が行われています。
簡単に説明すると、それぞれの健康食品に使われる素材は、医薬品のように効果があるのか、それとも効果がないものなのか、それを6段階で評価してあります。
効果がないと評価された世界データベースの結果を、効果があるように表示して販売した場合と、実際に効果があるものを販売した場合では、同じ表示内容であっても、これ対する法的な対応が異なってきます。
すべての規制する側の担当者が「ナチュラルメディシン・データベース」の内容を熟知しているわけではないものの、規制する側には、この日本対応版は知られた存在で、日本対応版は日本医師会、日本薬剤師会、日本歯科医師会の総監修を得ている内容なので、他の関連書籍と信頼度が大きく違っています。
健康食品を販売する会社が「ナチュラルメディシン・データベース日本対応版」を購入しているのは、こんなにも勉強をしている真面目な会社ということを示したり、販売している健康食品の素材と医薬品のバッティング情報を得るためだけではありません。
「ナチュラルメディシン・データベース日本対応版」には、アメリカのデータベースよりも掲載されている素材の数が少ないといっても1200種類を超えています。自社の商品に使われているのは、これに比べたらわずかなので、購入する必要もなく、立ち読みレベル、すでに購入している他の会社から聞けばよいというレベルかもしれません。
そういったことではなくて、最も有効に活用しているのはコールセンターです。健康食品を使ったことで体調が崩れたという苦情や問い合わせがあったときに、他に摂っている健康食品の種類や医薬品を聞いています。そして、「ナチュラルメディシン・データベース日本対応版」で素材や医薬品の相互作用を確認して、体調の変化や状態は他社の健康食品、医薬品のせいだと伝えるためのツールともなっています。
こういった使い方があることを教えた「ナチュラルメディシン・データベース日本対応版」の普及メンバーの一人です。
〔健康情報流通コンサルタント 小林正人〕