母子の栄養21 微量ミネラルの重要性2

微量ミネラルの2回目として初めに紹介するのは銅です。銅は微量元素の必須ミネラルの一種で、鉄の赤血球を作り出す働きを補助する成分であり、赤血球のヘモグロビンの合成には銅が含まれた酵素が必要になります。

骨、筋肉、血液の中に約80mgが含まれます。体内の過酸化物質を分解する酵素(SOD=スーパーオキシドディスムターゼ)の成分であり、細胞の酸化を防ぐ抗酸化作用があります。食品では、カキ、スルメ、レバー、ナッツ、大豆、ココアなどに多く含まれます。

ヨウ素は、甲状腺ホルモンの構成要素として甲状腺に集まる性質があるミネラルです。不足すると甲状腺機能低下、甲状腺腫が起こります。新陳代謝を高め、成長期の子供の発育の促進に欠かせません。

食品では、こんぶ、わかめ、あまのりなどの海藻に特に多く含まれます。魚類では、イワシ、サバなどの青背魚に多く含まれます。

セレンは、体内の過酸化物質を分解する酵素(グルタチオンペルオキシターゼ)の構成成分であり、細胞の酸化を防ぐ抗酸化作用があります。血圧を調整するホルモンのプロスタグランジンを作るために欠かせず、セレンの補給で細胞の老化を遅らせ、生活習慣病の予防につながります。

ビタミンEとともに摂取すると抗酸化作用が高まります。食品では、アジ、イワシなどの魚介類、動物の内臓、肉類、卵黄に多く含まれます。

マンガンは、骨の形成、消化の補助、糖質と脂質の代謝、成長や生殖を補助する成分であり、体内に12~20mgが含まれます。体内の過酸化物質を分解する酵素の成分であり、細胞の酸化を防ぐ抗酸化作用があります。吸収率は0.5~3%と低くなっています。

食品では、全粒穀類、豆類、ナッツ、茶葉などの植物性食品に多く含まれています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕