身体年齢を若く保つためには筋肉の量が大切になります。筋力を保ち、元気に暮らすために主に注目されているのは骨格筋です。骨格筋の70%ほどは下半身(ヘソから下)にあり、骨格筋が減っていくと歩行速度が低下していきます。
75〜84歳のデータでは、10年生存率は歩行速度が速い人では男性は50%、女性は92%となっています。遅い人では男性は15%、女性は32%となっていて、早く歩ける筋肉が保持されていることの重要さを示しています。
骨格筋のほかに心臓を動かすための心筋、血液を送るために血管を動かす平滑筋があげられます。骨格筋が衰えて活動量が減ると心筋、平滑筋も衰えていくようになって、全身に影響が出るようになります。自由に歩くことができる筋肉は、健康寿命を延伸させるために重要な役割をしているのです。
高齢者の筋肉量と健康度を示す言葉にフレイルがあります。フレイルは虚弱を意味するFrailtyの日本語訳で、健康状態と要介護状態の中間に位置して、身体的機能と認知機能の低下が見られる状態を指しています。
加齢によって筋肉の量が減ると、活動が低下して、食欲が低下するようになります。食事量が減ると栄養素の摂取が減りますが、特に減少しやすいのはたんぱく質です。たんぱく質は筋肉を構成する重要な成分であるので、これが不足することは筋肉を減らす大きな原因となるということで悪循環を引き起こすことになります。
筋肉量が減少する大きな原因は運動不足で、筋肉量が減ると活動量が減り、これだけでも筋肉量が減る原因になります。運動をすることによって、成長ホルモンが分泌されて、成長ホルモンに作用によって筋肉が増えていきます。
フレイルの予防、改善のためには、無理のないところから運動をする機会を設けることが重要になってくるということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕