免疫を高めるためには、体温を上昇させることが重要であるということを前回、紹介しましたが、日本人は体温が低めの体質です。血液温度は36.5〜37℃ですが、欧米人や北方系アジア人は血液温度が1℃ほど高くなっています。これは全身の細胞の中で作り出されるエネルギー量が少ないために、血液が温まりにくくなっているためです。
基礎代謝は消費エネルギーの70%を占めていて、基礎代謝のうち70%は体温の上昇に使われているので、「70%×70%=49%」で、約半分が体温の維持に使われているということになります。
体温を高めるためには、つまり細胞の中で発生するエネルギーを増やすには運動をすればよいということになるのですが、運動量を増やすには時間が自由になる生活でないと難しいところがあります。少なくとも入院していたり、介護施設などに入所していたら、自由に運動量を増やして体温を高めるわけにはいかなくなります。
有酸素運動のウォーキングは、身体を温める効果が高いといっても、施設内に活動範囲が限られていれば、長く歩く、勢いよく歩くという効果的な歩き方をしようとしても、これは無理というものです。
身体を温めるためには入浴も効果的です。熱い(熱めの)お湯に入ればよいということではなくて、ぬるめの温度(38℃程度)のお湯に長めに浸かって、じわじわと体温を高めていくほうが体温は高まりやすくなります。
笑うことは免疫を高めることが確認されています。心の底から、大きな声で笑うほうが免疫を高めるとされていますが、これも施設内で音出しに制限があるところでは難しいことです。
免疫を強化することが知られている多糖類が含まれる健康食品(きのこ類など)を摂るのもよいとはいっても、入院中に好きな健康食品を摂ることはできないのが、ほとんどの施設です。
免疫を高めるためには。自由に行動ができる自宅で過ごせる期間を長くするのが、一番の方法といえるかもしれません。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)